Class
of 2021や2022を目指しMBA受験対策を進められている皆さんにとって、参考になる情報も多いかと思いますので、是非ご一読下さい!
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★Class of 2020 / K.A.さんの受験体験記
1.経歴・バックグラウンド等
社費・私費: 社費
職歴: 官公庁7年
学歴: 神戸大学経済学部卒
海外経験: 旅行程度
TOEFL:
96(R26, L22, S20, W28)
GMAT:
690(V35, Q50)
GPA:
3.3
2.Why MSB?
進学のために職場を離れることが自らのキャリア構築に支障を及ぼすようなことになっては困るとの考えから、進学先を選定するに当たり、できる限り多くの留学経験者の方々からお話を伺うことで、自分にとってどの要素が大切であるのかを見極めるように致しました。この結果として、私が大切にした観点は、(1)ロケーション(自らの関心に沿った様々な機会に触れやすいロケーションであるかどうか)、(2)ランキング(ランキングが上昇傾向にあるかどうか)、(3)周辺の大学院のリソース(学内等に定評のある大学院があるかどうか)という3点でした。以下では、順にご説明させていただきます。
(1)
ロケーション面
第一に、自らの関心に沿った様々な機会に触れやすいロケーションであるかどうかです。
ビジネススクールの受験を考え始めたころ、予備校関係者や合格者の方々から口を揃えるように「フィット感」というお話を伺いました。その具体的な意味するところは必ずしも定かではありませんでしたが、私としては、自身の関心のある内容を関心の似通った者とともに学ぶことができるかどうか、ということだと理解致しました。
この点、私はビジネススクール卒業後に、再び政府職員として産業政策に携わって参りたいという考えから、企業戦略や企業の最適行動はどのように決まって来るのか、それらは政府や国際的な規制等の枠組みの影響をどのように受けるのかということを学びたいと考えておりました。そのためには、一通りの企業経営に関する知見をベースにしつつも、個々の企業を超えるマクロビジョンを習得しやすい素地があるか、国際機関や政府機関の職員らから学ぶ機会を得られるか、といったことを考えました。
MSBが立地する米国・ワシントンDCは米国の首都であり、近隣には連邦政府はもちろんのこと、国際機関や数多くの企業、非営利団体等が集積しています。こうした機関に所属している学生や、関連する団体(コンサルティング会社を含む。)への転職を希望する学生が一定数おり、こうした学生から色々学べるだろうと考えました。また、カリキュラム面でも、必修科目であるStructure of Global Industry(必修)やFirm
Analysis and Strategy(必修)のほか、Certificate of Nonmarket Strategyを初めとして豊富なリソースがあることが分かりました。加えて、政府や国際機関関係者がしばしば来校され、学生に対してお話をいただける機会があるなど、地の利を生かした学びの機会が豊富に得られるということが分かりました。
このため、MSBはキャリアにブランクを作らずに2年間学ぶという観点に立ったときに、最高のロケーションを提供してくれる場所だと感じました。
さらに、学びそのものでは必ずしもありませんが、生活のしやすさという面も考慮致しました。ワシントンDC(近郊都市を含む。)の洗練された街並み、四季の移ろいの美しさ、スミソニアン美術館等をはじめとする文教施設の豊富さ、発達した公共交通機関、一定の日本人コミュニティといったものは、海外生活初心者の私にとって学びに集中できる上で優れた環境だと感じられました。
(2)
ランキング
第二に、ランキングが上昇傾向にあるかどうかです。自身の語学力に照らせば、TOEFLで110点以上が求められるようなスクールは範疇外という事情もあったのですが、成長著しいスクールは「お得」だ(コスパが良い)という考えがありました。MSBは、比較的歴史が浅いため各界で上位の地位を占めていらっしゃるOB/OGが他校に比べると少なくなりがちであること、公共セクターやノンプロフィット等の比較的報酬の低めな業界への転職者も一定程度いることなどから、かつてのランキングは決して高いと言える水準ではありませんでした。しかしながら、昨今では、毎年のようにランキングが向上している状況であり、実態はランキングに現れる以上に良いのだろうという期待がありました。
また、総合的なランキングもさることながら、分野別のランキングも参考に致しました。例えば、Entrepreneurの分野では、近年ワシントンDC界隈がスタートアップの拠点として成長してきていることから、高い評価を得られております。また、Real Estateの分野では、米国内の不動産市場においてワシントンDC界隈が有数のものであるなどから、Research Center(Steers Center for Global
Real Estate)が設けられていたりするなど高い評判があります。こうした各分野における評価も、その学校に集う学生や教授陣から得られるリソースを判断する上で有効でした。
なお、私の入学後ではありますが、先日発表されたBloomberg Businessweek MBA ranking 2018ではUCLA、Michigan, Dartmouthに次いで20位となりました。
(3)
周辺の大学院のリソース
第三に、学内をはじめとして近くに定評のある大学院があるかどうかです。2年間留学するに当たり、ビジネススクールという枠に留まることなく、幅広くリソースを活用して学んだり、人と出会ったりできることは、ある特定の分野についてのスペシャリストになることを志向していない自身にとっては大変有効であろうと考えました。
この点、ジョージタウン大学は国際関係では世界屈指であるとされており、外交政策大学院(School of Foreign Service)をはじめとして、ロースクール、公共政策大学院についても、(1)で述べた国際機関や政府機関との繋がりから派生するリソースは大変豊富でした。例えば、MSB1年生後期から2年生にかけて登録可能なInternational Business Diplomacyというプログラムでは、外交政策大学院のリソースを活用しつつ、国際的なビジネス展開に当たって必要な視点(戦略立案、リスク管理等)を学ぶことができたり、ビジネススクール外にもネットワークを広げられたりすることができます。
また、ジョージタウン大のほかにも、国際関係論に強いジョンズ・ホプキンズ大などもあり、様々な出会いに恵まれそうだという点で高く評価致しました。
3.MSBを知ったきっかけ、MSBへのコンタクト経験・手段
ジョージタウン大学そのものの存在は以前から知っておりましたが、夏頃にアゴス主催で開催されたMBA夏祭りで卒業生の方々からお話を伺ったのがきっかけでMSBを知りました。
その後、ホームページを活用して調べたり、ワシントン駐在経験のある方や、ジョージタウン大学出身の方からお話を伺う中で、2.で述べた観点を確認するように致しました。
なお、あいにくキャンパスビジットもできず、在校生やOB/OGの方に接触を試みることもありませんでしたので、これ以上は特段していませんでした。
4.出願書類の準備方法等の出願プロセス
① TOEFL(96点)
いわゆる純ドメと呼ばれる部類の人間で、かつ、仕事上も英語を使う機会はほぼ皆無ということもあり、大変苦労しました。独学で対応しようとしたために、特段効率的な勉強方法も分からず、ペースメイクも難しくという情けない状況と結果になりました。
その上で勉強方法を申し上げますと、まずは徹底的に単語の暗記に努めました。TOEFL用の単語集や、iKnow!というアプリを活用して通勤時間に勉強するようにしました。単語集1冊仕上げた段階でリーディングについてはスコアが改善しました。また、語彙力増強に相まってライティング用のテンプレートを用意したことで、ライティングについてもスコアが改善しました。リスニングとスピーキングは全く対策方法が分からず、特段何もしませんでした。
集中して効率的に勉強せぬままに、ただただ2年程度毎月1回TOEFLを受験し続けるという状況が続き、多くの時間と多額の受験料を浪費してしまいました(この方法はお勧め致しません。)。最後に英語を勉強してから時間が経っている方など、TOEFL対策に不安があってお金と時間に余裕がある方は、早い段階で予備校の活用を検討されると良いかもしれません。
※なお、多くのビジネススクールは”minimum requirement”という形でTOEFL○点という設定をしているところがあると思います。MSBも100点がminimum
requirementと公表されていましたが、結果的には100点にたどり着かずともインタビューのオファーが届きましたので、おそらくGMATやEssay等も参考にして判断しているのではないかと考えられます。自分で諦めることなく、まずは出願されるのがよろしいかと思います。
② GMAT(690点)
GMATについては、8月に公式問題集とマスアカを購入し、2ヶ月程度集中的に勉強し、10月と11月に1回ずつ受験しました。
VerbalについてはTOEFLよりも高い語彙力が必要とされるような印象がありましたが、Sentence
correctionとCritical reasoningは問題集を通じてコツを掴めるように思いました(Reading Comprehensionはダメでした)。
Mathについては、大学受験で数学を使った方にとっては、マスアカで一通り算数・数学の復習をしておけば問題ないと思います。
③ レジュメ、エッセイ等の書類
出願半年前の時点で、TOEFLにこれ以上時間を割いても大幅に状況は改善せずコストパフォーマンスが悪いと感じましたので、レジュメ、エッセイ等の準備に切り替えました。仕事の都合上、こちらにも十分な時間をかけられないことが明白であったため、ビジネススクールを専門とされているエッセイカウンセラーと契約し、効率的に仕上げるように努めました。カウンセラーは出願書類作成の心得を熟知されておりましたので、私の職務経験や問題意識の整理に大変貢献してくださいました。加えて、カウンセラーがアメリカ人だったこともあり、英語だけで自身の問題意識を伝えるというインタビュー対策にもなりました。
④ ビデオエッセイ
MSB恒例となりつつあるビデオエッセイですが、私の時は「1分以内で将来のクラスメイトに対して自己紹介してください」というのがお題でした。
YouTubeにアップロードされていた他の受験生のものを参考に原稿を作成した上で、ビジュアルで自身のことが伝わるように要所に関連する写真や字幕を入れました。カメラ慣れしていませんでしたので、声の大きさや抑揚、表情から良い印象が伝わるように何度も何度も撮影致しました。
※ビデオエッセイの提出が必要と初めて知った時は躊躇したのですが、ビデオエッセイを出願書類に加えることで受験者の本気度を確かめているように考えるようにしました。ビデオエッセイを仕上げられさえすれば競合相手は限られる、という気持ちで取り組みました。
⑤ インタビュー
前述のとおりキャンパスビジットを行いませんでしたので、インタビューはスカイプを用いたビデオチャット形式で行われました(30分程度)。問われた内容はこれまでの職務経験や志望動機に関するものが中心でしたが、終始和やかな雰囲気の中で行われました。
お勧めするのは、本命校のインタビューを受験する前に、他の出願校でインタビューをいくつか経験しておくことです。仕事上で英語でのビデオチャットを経験されているという方は不要かと思いますが、あいにく私はそうした経験もありませんでしたので、どのように会話を展開すればよいのか、どのような間合いが適切なのかといったことを予め承知しておりませんでした。いくつかインタビューを受けておいたことで、変に肩肘を張ったりせずに和やかな雰囲気でインタビューをすることができたように思います。
また、相手が必要としている情報をしっかりくみ取って提供するということが重要だろうと思います。インタビュアーがその上司かチームメイトに私を推薦する上で有用そうな情報をしっかり提供できるように配慮するように努めました。例えば、インタビュアーにメモを取る時間を与えたり、インタビュアーの表情から必要な情報の量を調整したりということです。日本人同士の会話と何らかわらないということだと思います。
5.受験生へのアドバイス
キャンパスビジット等の機会を通じて現役生やOB/OGとお話しされることをお勧め致しまします。
私はあいにく十分にできませんでしたが、当事者の方々から直接お話を伺うということは、何事にも換えがたいものだと思います。自身も、合格してからにはなりましたが、現役生の方にお話を伺って自分のイメージとずれていないことを確認して、「ほっと」したことを覚えています。また、学校や学生の雰囲気、周辺環境など、現地に行って初めて感じることも多々あります。ビジネススクールへの進学は大きな投資になるかと思いますので、可能な限り直接的な情報を得た上でご判断いただくのが良いだろうと思います。