MBAの最初の試練?! オープニングタームの紹介

こんにちは。MBA1年生Iです。今年の夏からGeorgetownMBAにて学んでいます。今日は、MBAの最初の試練と言われるオープニングタームについてご紹介します。



アメリカの大学といえば9月から授業開始というイメージがありますが、MSBの授業は8月頭から3週間、オープニングターム(Opening term)という集中講義で幕を開けます。アカウンティング(Accounting Fundamentals)1コマ、SGI(Structure of Global Industry)を2コマ、計3コマを月曜日から金曜日まで毎日受講します。加えて、いずれの科目でも5~6名のスタディーチーム(study team)での グループ課題が課されています。



オリエンテーションの段階から、学校スタッフ・先輩の皆さんから「まずはオープニングタームをsurviveしよう!」と発破をかけられますが、実際に予習復習、グループ課題の打ち合わせや個人作業を合わせると相当なワーク量になりました。加えて、授業での発言やグループ課題への貢献の仕方など「初めてぶつかる壁」も多く、MBA生活にマインドセットを切り替えてくれる濃密な3週間となりました。



授業の内容を簡単にご紹介します。

・アカウンティング (Accounting Fundamentals)
会計学の基本的な概念から始まり、仕訳、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書)の読み方と作り方をレクチャーで学びます。私のクラスを担当したFairfield教授は、スピード感のある授業でコールドコール(先生が学生を指名して質問に答えさせること)も多く、気が抜けない授業した。加えて、定期的にグループ課題やQuiz(小テスト)があり、「積み残したまま次に進んでしまう」ことを許してくれず、着実に内容を理解できます。また、グループ課題も課されます。


SGI (Structure of Global Industry)
グローバル企業がとるべき戦略を、経済学の理論に基づいて議論する授業です。Jensen教授のレクチャーが中心となって展開していき、マクロ経済学の教科書と、ケースや論文が教材として用いられます。例えば、「ある国の経済が労働集約型から資本集約型に変わったとき、企業はバリューチェーンをどう変更すべきか?」という問いに対し、マクロ経済学の比較優位や輸出入の理論、Strategyvalue propositionvalue chainの関係性の理論、そして実際の企業のケース、といった様々な角度から分析し、議論します。「トヨタ自動車が円高にどのように対応したか」といった日本のケースも登場しました。Jensen教授は学生の理解度・知的好奇心に合わせて的確に授業を進行し、学生たちの頷きを伴った「ウーン」という納得の声(?)が沸き起こる上がることもしばしばでした。

レクチャーと同時並行でグループ課題のプロジェクトも進行します。プロジェクトは、「架空のグローバル企業の経営戦略を考える」というもので、私たちのチームは、インドの食料品を北米で販売する小売業を提案しました。教授への2回の中間報告を経て最終日にプレゼンを行います。

加えて、企業倫理やプレゼンテーション・チームビルディングなど、関連するトピックもそれぞれ担当の教授が講義します。

非常によく練られたカリキュラム構成で、「ビジネスを通じて社会に変革をもたらすグローバルリーダーを育成する」というMSBの教育方針をひしひしと感じる授業です。




(写真)最終プレゼンを終えた直後、スタディーチームのメンバーと



このように、MSBのオープニングタームの3週間には、理論からケースまで、レクチャーからグループワークまで、チームビルディングからプレゼンまで、MBAでの学習全般の土台となる体験が全て詰め込まれています。終了後には、自分なりに授業やチームワークへの参加の仕方が身につきますし、MSBのマインドに触れ、MSBの一員に溶け込むような感覚になります。そしてなにより、苦しい3週間を文字通り共に戦ったスタディーチームのメンバーとの絆は、一生モノです。



このように、通常の学期が始まる前にオープニングタームの充実した3週間を過ごすことができるのも、MSBならではの魅力ではないでしょうか